溶接工学の世界的権威者が、日本の四季に映える構築された「美」を、「モノ」を見据えた鋭い思索と260点有余の写真で紹介する。
目 次
春の目学問
視る・観る・察る─桜の奈良─ 10
微が生む美─金閣と銀閣─ 16
不連続の連続─元興寺と興福寺─ 22
橋渡しと隔てる─長久寺本堂─ 28
初めか終わりか─室生寺金堂─ 34
閃きは持続か─長谷寺の菩薩─ 40
変化の駆動力─談山神社─ 46
フツとシツ─石上神宮─ 52
保存のあり方─弘前城の桜─ 58
一向求究寛─最勝院五重塔─ 64
先端技術を生む─三内丸山遺跡─ 70
後世の評価─奥入瀬の三里半─ 76
安心を生む風景─花の寺長岳寺─ 82
唯識と技術の活力─西行桜─ 88
自在に観る─清水の舞台─ 94
見かけの支え─圓成寺─ 100
現代科学の否定─アメリカ─ 106
夏の目学問
「もったいない」─沖縄めんそーれ─ 112
対比的な庭園─識名園と福州園─ 118
守る、護る、…─鞍馬寺・毘沙門天─ 124
人間と自然─鞍馬と貴船─ 130
雑念を払う─音無の滝と大原の里─ 136
踏襲と変化─霊山寺本堂─ 142
光が当たること─春日万灯籠と灯台─ 148
変化を生む─安楽寺八角塔婆─ 154
喜捨の精神─鯨御殿と土木遺産─ 160
古きを問わず─肥後の通潤橋─ 166
華厳─奈良のライトアップ─ 172
技術を残す─大仏様は広がったか─ 178
知から強さへ─仁王像に見る─ 184
鋳造と溶接─大仏にみるハイテクー 190
石から鉄へ─フランスー 196
秋の目学問
時代的要求─紅葉の神護寺─ 202
不羅独往─神護寺中興の祖─ 208
大きさを支える─奇橋猿橋と梁構造─ 214
革新は周辺から─鎌倉が生まれる─ 220
本来の自分─鎌倉五山を巡る─ 226
強靱な意志─謎の鎌倉大仏─ 232
遅れてきたアーチー長崎の眼鏡橋─ 238
中道にして廃す─文化の窓口:長崎─ 244
技術の使い道─長崎の黄葉様式寺─ 250
民の仏と国の神─国東半島の神仏集合─ 256
五感から離れる─松本城と旧開智学校─ 262
輩出・分裂・競合─高僧を生んだ延暦寺─ 268
一隅を照らす─延暦寺の紅葉─ 274
壊す力と蘇る力─三井寺と石山寺─ 280
心の大きさ─古都の庭園─ 286
随所に主と作る─龍安寺石庭─ 292
黙しつつ語る─龍安寺石庭と鏡容池─ 298
映すと写す─京都の夜景─ 304
文明と文化─西明寺から祇王寺─ 310
執念と時代環境─イギリスー 316
冬の目学問
一時一所─南禅寺に遊ぶ─ 322
貫くものの強さ─林下の禅寺:大徳寺─ 328
愚痴と無知⊥東山と嵯峨野─ 334
同質化と画─化─平等院の定朝様式─ 340
強さと美しさ─唐招提寺と薬師寺─ 346
新しさと古さ─薬師寺西塔・東塔─ 352
魂を作り出す─浄瑠璃寺と当尾の仏─ 358
交流が生むもの─法界寺の壁画─ 364
変化を読む─五重塔の心柱─ 370
「つなぐ」こと─當麻の里の牡丹─ 376
傑作を生む技術─四天王像の表情─ 382
対称と非対称─法隆寺西院─ 388
矛盾と本音─斑鳩の風景─ 394
時と場所─法隆寺五重塔と塑像─ 400
創ると壊す─聖徳太子と夢殿─ 406
写すを拒むこと─斑鳩の寺の三重塔─ 412
心打つ姿─2つの半跏思惟像─ 418
技術立国へ─ドイツ─ 424